まるち系コミッシュラン

過去に面白かったゲームの紹介文です。

■『PARTS』(ブランド名:SQUADRA D Windows95/98版)
自分探しをテーマにした作品の典型的な終着点として「やろうと思えば何だってできる。だからまず自分の価値を自分自身が認めるところから始めよう」というものがあるが、この作品は全く逆の切り口で自分探しの道を切り開く。
ある宗教施設へそこに住む子供達の世話係として2週間ほど住み込むところから話は始まる。この施設内で何が起こっているかは大抵の人は早々と気づくだろう。そこで話が一段深くなる。いつでも逃げ出せる環境で、でもこの救いがたい悲劇の繰り返しを目の当たりにして、でも自分には本当に何もできなくて、絶望的な無力感を味わうことになる。
そして大きな選択を迫られる。おまえはどちらの道を選ぶのか、と裏切った人間から問い掛けられる。この選択に正解はない。2つの選択の結末を知ったとき、すべてが繋がり、そこには「納得」ではなく、すべてを包み込む大きな波のような激しい「感動」が訪れる。


■『WHITE ALBUM』(ブランド名:Leaf Windows95/98版)
『ToHeart』の衝撃的なブレイクで王者の座につき続けるリーフの作品群ですが、その中でまず1本おススメするとしたら、このホワイト・アルバムになります。CD内に収録されたスタッフのコメントの「浮気ゲー」という認識に止まっている方をお見受けしますが、これはとてつもない痛みを受けた人間によって生み出された執念の一作と言って良いでしょう。「浮気ゲー」というのは単なる照れ隠しでじゃないですかね。
各シナリオはまるで他の選択肢が無いかのようにプレイヤに運命的、宿命的な絶望感を味合わせてくれます。「犠牲」がテーマなんでしょうね。
私は森川由綺がエンディングで、何を思ってかがんでいるのかを考えただけで未だに動揺してしまいます。
ないしょで☆よわよわ☆ほうもんVol.2 あくあぷらす(りーふ)編


■『ONE〜輝く季節へ〜』(ブランド名:Tactics Windows95/98版/PS版)
日常が自分のために壊れて行く話です。かと言って、主人公が犯罪を犯したり、事故にあったりあわせたり、というものではなく、不思議な不条理な壊れ方をします。一体どこへ辿り着くか、それはプレイヤの現実世界と強く結びついているのです。
サブタイトルにある「輝く季節へ」という通りに、このゲームをプレイすると新しい価値観を取得でき、現実の日常の中にも少なからず何かしらの輝きを与えることになる…可能性が高いです。これを他の小説や映画を知らないから、で一蹴できない理由は「ゲームとしてのノベル」はまだ未発達のジャンルであり、アニメやマンガや小説やゲームブックとは全く違った媒体だからです。こんなにも楽しむことができるものなのだ、と定着させたのは、Leafのビジュアル・ノベルでなく、この『ONE』でしょう。長森瑞佳は最後に解くことをおススメします。
『ONE〜輝く季節へ〜』へコミットしよう(シナリオのネタバレがあります)


■『加奈〜いもうと〜』(会社名:D.O. Windows95/98版)
妹の闘病生活を綴った作品です。シナリオは自分が小さい頃から体験できるため、実際に妹がいない人でも妹がいるような錯覚を感じ得ます。そしてそれを感じ得たとき、主人公の目の前に人生を左右するような衝撃が舞い下りるのです。どのような結末になるかのゲーム性もあり、その選択が心を締め付けます。鹿島夕美という同級生が抱える呪縛と重なり合ったとき、プレイヤの穏やかな夜は過去の物となるでしょう。


■『MOON.RENEWAL』(ブランド名:Tactics Windows95/98版)
宗教施設帰りの母親の突然死から、その真実を探るべく宗教団体の施設へと自ら乗り込む。極限状態で生まれた友情と強い復讐心で、宗教施設内での不条理な扱いと戦って行く。次第に自分や仲間達の過去が、少しずつ明らかになってくる。主人公は目的を見つけ出し、その目的を達成することはできるのだろうか。この作品は、精神崩壊を体験でき、なんとも辛く、そして心地よい。生きることの辛さと幸せとは紙一重なのだ。


■『Kanon』(ブランド名:Key Windows95/98版)
しんしんと降り続ける雪。それは主人公の心の中に降り積もる。春が来て、夏がたたずみ、秋が訪れ、また冬がやってきても、しんしんと降り続ける。それは思い出したくないものを覆い隠すように、触れられたくないことを忘れるために。現実は辛い。辛いときは刹那的に現実を離れてもいいんだよ。どんなことをやってもいいから、現実と立ち向かうだけの強さを持たなくてはならない。
それを教えてくれるのがこの『Kanon』の世界である。幻想色が強いものから現実と直結しているものまで多彩なストーリーで読み手を圧倒する。死別した女の子との共通幻想が織り成す世界、危篤の人がいても一本の電話もかかってこない家族、他にもとても辛い話が出てくる。しかしこの作品の優れているところは、読み手を小説的に救済するところにあるので安心して欲しい。
(『カレカノン』より一部抜粋)
ないしょで☆よわよわ☆ほうもんVol.1 びじゅある・あーつ(きぃ)編


■『終ノ空』(会社名:ケロQ Windows95/98版)
学校、自殺、儀式、世界の終わり、予言、精神病…そんな単語達の話をそれぞれの登場人物の視点から楽しむノベル・ゲームです。あくまでストーリーは1つで、様々な人間の視点で「終ノ空」にかかわっていく中で、見えなかった物が見えてくる。そして最後に「なるほど」と思わせる作品です。
人間は生まれたときから結果的に死が待つだけのこの現実世界を呪うしかない。しかもこの現実世界というものは、ウソや欺瞞に満ちている。それに気づいてしまったとき、どうやって生きていけば良いのか、それを論ずるストーリーである。
絵がプリティで18禁を前に出しているのもアンバランスで「終ノ空」に関わる不思議な世界観を盛り立てている。
テーマはとても面白いが、ストーリーへの射影に少し苦労した様子が伺える。


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